大学の授業で統計の授業を取ったのですが、統計をやったのが2年前で忘れていました。そのため、色々調べながら二項分布、幾何分布、負の二項分布の平均と分散について解いてみました。
目次
1.確率変数の平均と分散
確率変数には連続型と離散型があります。今回の二項分布の場合は離散型です。
よく問題に”平均を求めよ”と書かれていますが、これは高校までで習う確率の期待値と同じになります。
これは次のように計算できます。
分散は、一般に二乗期待値と期待値の二乗に等しくなります。つまり、次のように計算できます。
2.組み合わせの表し方
高校までは組み合わせをと表します。しかし、統計を調べていると次のように表すことが多いようです。
あまり馴染みのない表し方なので、私はCombinationを使って書いていきます。
また、Combinationの計算は、
です。
3.二項定理
任意のとに対して、
が成立します。これも高校数学で習う範囲です。
4.二項分布の平均と分散
この場合の平均と分散を求めていきます。
平均
ここでは、離散型確率変数のときの平均の求め方に則って計算しています。また、3行目ではの時0となるので、それを省いてます。
ここで
なので、(1)式は次のように変形できます。
ここでと置くと、
となるので、(2)式に代入すると、
となります。
分散
分散は次の式で求められます。
まず、(3)式よりであることがわかっています。
次にを求めます。
(4)式の前半の和を、後半の和をとします。
先にを求めます。
ここで、とすると、
さらにBを求めます。とおくと、
以上より、
と求まります。
5.幾何分布
これの平均と分散を求めていきます。二項分布より計算が楽です。
平均
2行目から3行目はマクローリン展開((5)式を参照)や等比×等差の和を求める方法などで出すことができます。
分散
で求まるので、だけ求めます。
ここで、をマクローリン展開すると、
となります。この両辺をで微分すると、
更に両辺をで微分して、
この式の両辺にを掛けたものを利用すると、
となります。ここで、期待値の線形性により、
が成立するので、
となります。
6.負の二項分布
これの平均と分散を求めます。モーメントを利用した導出などもありますが、全くわからなかったので、もっとわかりやすい導出だけ書いていきます。(参考:モーメントを利用した導出)
平均
ここでとすると、
となる。3行目から4行目では、確率の総和が1であることを利用しています。ぶっちゃけ式を見ても微妙にわかりずらいので、こちらを参考にして下さい。(負の二項分布)
分散
で計算できるので、を求めていきます。
上式の前半の和を、後半の和をとすると、は平均と同じなので、だけ求めればいいです。
ここでとおくと、
ここで、
であるので、
となります。
したがって、
となります。
7.おわりに
あと課題は3つあるので、また調べながら解いたら書きます。LaTeXの練習にもなりますし、これを書いている時に論理ミスしてた箇所とか見つけたので、いい復習になります。
ぶっちゃけ確率質量関数の和がよくわかってないんですが・・・。
8.参考文献
神戸大学理学部数学科 樋口研究室 数理統計学10月26日講義
AVILEN AI Trend 二項分布の期待値・分散の導出(証明)
AVILEN AI Trend 幾何分布の確率密度関数からの期待値と分散の導出